理事長挨拶

理事長

安全に、安心して、心豊かに暮らしたい。誰もが願うことですが、さまざまなリスクと日々隣り合わせというのが現実です。

昨今、地震や風水害などの自然災害が全国で相次いでおり、自分たちが住んでいる街でも、いつ起きるかもしれないという不安感が拭えません。また、いざという時に、どのように情報を得て、どこに避難すれば良いのか、外出先で被災したらどうしたら良いのかなどの心配も絶えません。

日本の人口は高齢化がますます進行し、平成25年には65歳以上の高齢者人口が、総人口の25%、即ち4人に1人を上回り、20年後の平成47年には33.3%となって3人に1人が高齢者になると推計されています。

高齢者の増加に伴い、高齢者が犯罪の被害者となるケースも増加しています。犯罪の総件数は平成14年の年間約250万件をピークに、平成25年には約100万件と大きく減少しましたが、高齢者が被害者になるケースは増加を続け、平成25年には犯罪被害全体の約13%となっています。

他方、認知症になり、徘徊して行方不明となる高齢者が増加し、平成26年には年間1万人を超えてしまいました。地域での見守りの取り組みが進められていますが、見守る側も高齢者である場合が多く、負担が大きくなっているのが実情です。また、都会の中心部においてさえ、限界集落化が進行し、コミュニテイが成り立たなくなりつつある地域も存在しています。もちろん元気な高齢者も増えており、さまざまな分野で活躍されています。

子どもが犯罪被害者になる件数は、全体では減少傾向にありますが、略取誘拐、性犯罪の被害は増加傾向にあります。いずれも、被害に遭った子ども達は深く傷つき、その後の人生に多大の影響を与えます。子ども達を地域社会全体で守らなければならず、子育てや保育の問題と合わせ考えていく必要があります。

また、地域経済の活性化が喫緊の課題となっています。農林水産資源、観光資源、伝統産業、商工業、美味しいものなど多くの秀れた地域資源が、芽を出し、葉を繁らせる時を待っています。

このような社会状況下において、IoTやAIなど、最新の情報通信技術(ICT)を活用した地域の社会基盤の整備推進に貢献し、さまざまな分野の課題解決と地域の活性化に寄与することが当機構の目的です。

「神は細部に宿る」と言われますが、問題解決のヒントや答えは現場にあるものです。地域の課題の発見と解決に向かって、会員の皆様方と共に現場で汗を流し、アイデアとノウハウを出し合うことにより、安全・安心なまちづくりを進め、地域のビジネスを支えるシステムを創造していく、そのような地に足のついた活動を通して、社会に貢献してまいりたいと考えております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

一般社団法人 安全・安心まちづくりICT推進機構
理事長  廣川聡美